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[こでまり―品格](1/14)





「帰ってこないね。」



夕食時。


いつものように時間通りに食卓に並ぶ料理と、私達。




ただ…



「ユリ坊、何やってんのかな?一緒に帰ってこなかっただろ?」


心配そうに、眉を曲げた蘭ちゃん。


「私が帰る頃には、教室にいなかったよ。」




静かにため息をついた、菊と蘭ちゃん。



「大体、あいつは何者なわけ?蘭は何か知ってんじゃないの?」


疑いのまなざしを菊が蘭ちゃんに向ける。



「何でだよ!知らねーよ。ただ、花の名前で、ちょっと可愛かったから…小百合さんがいたら、すげー喜ぶだろうなって思ったんだよ。」



「そうだろうね。でもさ、訳分かんなさすぎるよ!仮にもさ、りりがいるわけだし。」



「仮ってどういう意味よ!」



「りりを襲った時には、俺があいつの貞操を奪う。」



「「……………」」



「冗談だよ!そんな目で見るなよ…、冗談だからさ…」





決して、私達に近づこうとしない黒猫。



そういえば、昔、近所に生まれたノラの子猫を懐かせようと必死になったことがあった。



噛まれて痛い思いをしたっけ。




……他人に近付くことは、痛いことばっかりだね。

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謔オおり


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