緑の魔法使いU
[実技学校](19/19)

「こんばんは」
「もう話は終わった。寝るぞエリオル」
ライルは軽く欠伸をして立ち上がった。
「はぁ!?何それ!?」
「2階でいいんだよな?」
「うん。布団敷いておいたよ」
「ありがとう、お休み」
「えっ、ちょっ…待ってよ!」
ライルはエリオルさんの腕を掴んで一緒に2階へと上がっていった。
「お休みなさい」
2人が見えなくなると私は外に出た。
「ハク、人参美味しかった?」
ハクは嬉しそうに尻尾を振った。
「よかった。マリさんに言っておくね」
これから見回りのため、空に飛び上がって森の中心部へ向かう。
耳を澄ますと聞こえてくる動物たちの声。
世間話だったり私のことを心配してくれたりみんな優しい。
「今日も異常なし!!」
自分の言葉に安堵し、私は家に戻った。
今日はいろいろありすぎた。
いつもよりもたくさん歩いたしたくさん魔法を使った気がする。
そして何よりもライルにたくさん助けられた。
久しぶりに1日が長く感じた。
私はライルが使ったコップだけ片づけて明日に備えて早く寝るべく、布団に入った。
疲れていたのか目を閉じると深い眠りに落ちていった。
こうして技術学校の初日は幕を閉じたのだった。

「…リちゃん……ルリちゃん」
「?……!!」
目を開とそこはなんとも言えない異空間だった。
ここどこ!?
「ルリちゃん」
「えっ……」
振り返ると目の前には愛しく、懐かしい人がいた。
「セ…ゼーヌ…さん…」
「大きくなったねぇ」
優しく笑い、私の顔に手を伸ばす。
「どうして…?」
「私がちゃんと伝えなかったからいけないんだよ」
「何を?」
「魔導書、探しているんでしょう?」
「知ってるんですか!?」
「私があなたのお母さんから預かったのよ。何も言わないでごめんなさいね」
ライルの予想通りだ。
「それはどこにあるんですか?」
「シルワヌス様に管理して頂いてるよ」
「シルワヌス…?」
「この森の神様だよ。一度だけルリちゃんも行ったことがあるはず。ハクがきっと覚えてる」
「私が行ったことある場所…」
記憶をたどるが、なかなか思い出せない。
「私は何もしてあげられないけど…頑張ってね」
「ありがとうございます」
「いつでも見守ってるよ…」
セゼーヌさんの体が透けていく。
「待って!セゼーヌさん!!」


再び目を開けた時、そこはいつもと変わらない私の家の布団の上だった。

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